その他ノウハウ

新人SEが明るい未来を獲得するために意識したい構造的問題

どうも社畜です。2本だてで簡単なコラムを。

仕事をしていると、中堅以下のIT企業でこんな声がよく聞かれます。

若手男性
若手男性
ウチは案件のコントロールが仕事だ。全員PM、全員PL、タスク管理万歳スケジュール管理万歳
ウチはSES企業。お客様のニーズに答える技術者を提供する!必要な技術は現場で積極的に学んでいく姿勢が売りです
若手女性
若手女性

厳しい言い方で申し訳ないのですが、こういった方針の会社で働いている人は大抵の場合使えないです。
あくまで、経験上の話ですので100%当てはまるわけではありません。割合的には95%くらいじゃないでしょうか。
そしてこの記事は、若者技術者の未来を潰す会社に入ってしまった人に、どうしたらスキルアップしていけるかをPMの立場として書いておきます。
この業界は地獄です。少しでも地獄の先を照らすことができれば・・・・

今回の記事は、2次受け3次受けのIT企業でよく起こりがちな無能技術者の発生する仕組みと自分がそうならないための処方箋を。上図吹き出しの1つ目の内容ですね。

※会社批判をする意図はありません。社会の仕組み的(日本の雇用形態)に致し方ない側面が強いので、その仕組みの中で自分自身の価値を高める必要がありますよ。と言う内容です。

なぜこの業界は地獄なのか

単純に言えば、日本のIT企業は多重下請け構造だからです。
この問題点は日経クロステックの記事で散々書いていらっしゃる方がいるのでそちらをご参照ください。

で、多重下請け構造の日本のIT業界では、所謂エンドユーザー企業(発注元)と1次受け以外のIT技術者は使い捨てのパーツにすぎません。
ただの労働力としてしか見なされていないのが現実です。だから、SESで月単価100万円。みたいなスキル度外視の価格で技術者が売られていきます。

IT業界で悪名高いみずほ銀行のシステム公開案件では七次受けなんてのもいたそうです。
最近話題の日本政府謹製の各システムも、いろんな一次受け企業の中抜きが指摘されていますね。

中抜きをされると当然ですが2次受け以降は実入りが減ります。中抜きしたところは特に大した作業をしていないのに、責任だけがのしかかる構図になりがちです。
そうなると本当に物を作る技術者の給料は下がってしまうのは当たり前です。

しかし、この記事で言いたいのはそんな世の中の仕組みに対する不平不満じゃなくて、あなたのスキルは中抜きなしで金銭を受け取る価値のあるものですか?

ということです。

調子に乗る2次受け3次受け

残念なことに多重下請け構造はそこに参加している者たちの正常な感覚を奪います。
実際にあるかは分からないですが、漫画などでよくある例でイメージしましょう。

簡単にいうと、ジャイアンはスネ夫ものび太もいじめる。スネ夫はのび太をいじめる。のび太はジャイアンとスネ夫からいじめられる。

このような構図が多重下請け構造の中で起こっているのです。そして、スネ夫ポジションにあなたがいる場合、おそらく技術者としての将来は暗いと思います。というのが趣旨です。

ほぼ100%当てはまると思うのですが、2次受けくらいだとある大手IT企業の下請けみたいなポジションにあると思います。
付き合いの長い大手企業(場合によっては複数社)から継続的に案件をもらう。もはや営業部は営業活動をせずに、自社の社員を売っていく。
こんな感じじゃないでしょうか。

問題になるのが、2次受けが自分たちで全部作っている会社ならまだいいのですが、3次受けとか協力会社なんてのを使ってロクに開発をしないケースです。

若手男性
若手男性
では3次受さん。この仕様でこのスケジュールね。こっちは進捗管理しておくから。
若手男性
若手男性
協力会社さんたち、この仕様でつくっておいて!進捗に問題あったら顧客と調整するから教えて。

この時、2次受け3次受けは間違いなく「自分たちの仕事は管理」みたいなことを言い出しており、全社員PM/PLみたいなことになっています。
実際に技術を知っているのは下請けか協力会社という構図です。

このようにイキッた下請けでは技術は身につきません。
エンドユーザーのわがままと戦うスキルも身につきませんし、技術力も肝心の仕組みはわからないままの中途半端な人材に成り果てること間違いなしです。
身に付くスキルは「エクセルと睨めっこしてメンバーのケツを叩くスキル」か「スケジュール調整(超残業)」くらいです。

会社はそれでもいいかもしれないですが、人材の流動化が進んでいく現在において、あなたの価値は目減りする一方です。

今後を考えてみると。。。。

今はそれでもやりがいを持ってやっているかもしれないのですが、今後は技術者が大量に余ることが国のレポートで公表されています。

少し詳しく言えば、技術者は大幅に不足するのですが、無能な技術者は大量に余るという残酷なものです。

当たり前ですが、足りないのは

  • 高度なITスキル(クラウド/人工知能/大規模案件のPM)を持っている
  • すでにある仕組みを使って新しい価値を提案できる(コンサルティング的な要素)
  • プログラミングやインフラの特定分野でプロフェッショナルと言える領域に到達している

などです。

逆に余るのは

  • ただのコーダー/テスター(つまり、大抵のSES技術者)
  • 広く浅くのスキルしかない
  • エンドユーザーと戦えない、決定した仕様に沿ってしかマネジメントできないPM(2次受け3次受に多い)

です。
今は良くても今後を見据えてみれば、やはりプロフェッショナルになることに越したことはありません。

処方箋

今の会社で必要とされている技術力の大半は、世間で言えば低レベルだったりします。

対策は以下のいずれかです。

  • 今の業務領域で必要な技術のうち、どれか1つないしは2つの【技術的な】スキルを徹底的に磨く
  • 今の業務領域では触れることのない技術を触ってみる

この記事の対象は若手技術者ですから、おすすめは1つ目です。
いきなり業務と関係ない技術をやるのは仕事に支障をきたしますし、どのみち中途半端になる可能性が高いです。

大事なのはエクセルでスケジュールと睨めっこするだけのなんちゃってPMは本物のPMじゃ無いですよと言うことですね。


未来を担う若手技術者の未来のために。

技術者ならばは本物の技術の獲得を目指しましょう!

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