その他ノウハウ

仕事で「既成概念や固定観念」を打破する方法。

どうも。社畜です。

仕事をしているとよく以下のような事を見聞きしませんか?

「固定観念に囚われずに柔軟な発想で〜〜〜」

この固定観念ですが本当に囚われてはいけないのでしょうか。
もう少し言うならば、固定観念があると柔軟な発想はできないのでしょうか。

今回はここについて確認したいと思います。

先に結論

既成概念や固定観念は悪ではありません。

なぜか。それは既成概念や固定観念という言葉は以下と同じ意味でも使えるからです。

「常識」

どうでしょうか?全然悪ではないことが一発で分かったと思います。

大切なのは「多くの常識を学び、適切にどの常識に沿って動くか」を選択できるようにすることです。

既成概念や固定観念は非常に重要な要素です。
これが無かった場合、毎回0から全てを説明しないといけなくなってしまいます。

これも簡単な例を出します。

走る車は大変危険。道路に飛び出したりしては絶対にいけない。

走る車は危険という既成概念が無いのが子供です。だから、親は口酸っぱく危険を子供に説いていますね。

既成概念、固定観念ってなに??

インターネット上から引用すると以下のような意味のようです。

既成概念とは、すでに世間に広く浸透し「そういうものだ」と定着しているような、認識や考え方の枠組みを意味する表現。

固定観念とは、他者の意見や状況の変化に応じず、そして行動につながっているような観念のこと。

さて、ここで取り扱うのは仕事で使われる「既成概念、固定観念」ですから、上記の定義から更に絞られた意味になるでしょう。

つまり大抵の場合、「既成概念や固定観念にとらわれず」というのはこういうことではないでしょうか。

自分が今まで関わってきた業界の常識に囚われずに」

自分の理解の外の発想をしろという無理難題をふっかけられているということになります。

赤色の反対の色は??

業界が変われば常識は180度変わることはよくあります。

面白い例を挙げましょう。

赤色の反対の色は何色でしょうか?

この問いには以下のような回答が考えられます。

  • トランプ遊びをよくする人→黒(トランプのマークの色)
  • 歌番組が好きな人・歌手→白(紅白歌合戦)
  • 病院勤のお医者さん→青緑(赤色の補色)
  • アパレルやインテリアなどのコーディネーター→青(暖色・寒色)
  • 科学者→紫(光の波長の長短。赤外線、紫外線)

どうでしょうか。

赤の反対という非常にシンプルな問いに対してもこれだけ全く異なる色が挙げられてしまいました。
これは「どの角度から回答するか=どの業界にいるか」によって変わるものです。

結局は多くの勉強をするしかない

では、既成概念や固定観念に囚われないためには何が必要でしょうか。

残念ながら、ただただ勉強をするしかありません。

そしてそれは「勉強しよう!」と思って勉強をするというよりも、色々な本を読み漁る方が適している場合が多いです。

先の色の話なら色について勉強することで理解できる可能性がありますが、業界の常識的な話はそのような方法では知識を得られない可能性が高いからです。

点と点をつなげて線にして、線と線をつないで面にする

最も重要なのがこれです。

多くの知識は点や線での情報になっています。学校の授業がわかりやすいと思います。

歴史の授業なら

  • XXX年:XXXの乱
  • XXX年:XXXの改革
  • XXX年:XXXの条約
  • XXX年:XXX戦争

このように何年に何が起こったという点の情報でしか書かれていません。
これを多く身につけていても人生において特に重要な意味はないでしょう。

では、線にするとはどういうことでしょうか。

  • XXX年にXXXの乱が発生し、その結果樹立した新政府によってXXXの改革が進められた。
  • XXX年にXXXの条約を一方的に締結させられてしまい、その不平不満が原因となりXXX戦争に発展した。

これにより点と点が繋がって線になりました。

では、ここからどのように面にするのでしょうか。一例ですが、別軸を加えて関連を探ることは非常に有効です。

例えば、XXXの乱とXXXの改革の時の民衆の生活や経済基盤はどうなっていたのか。どんな宗教が信仰されていたのか。などという年表には現れていない軸を追加して関連させることで線を面にすることができます。

面を多く持っていれば、所謂「既成概念や固定観念に囚われない発想=今いる面に別の面の知識を持ち込む」ことができるようになるのです。

例:日本人はなぜ投資を嫌うか

あくまでも一例ですが、このように考えることができるのではないでしょうか。
※もちろん正解不正解の話ではなく、見方の一例に過ぎません。

  • 貯金信仰が強い(現状見えている事象から推察)
    • バブル期、貯金をしているだけでも年利5%以上がついた時代があり、無理に投資なんてする必要がなかった
  • 投資に回す余裕がない(現状見えている事象から推察)
    • 日本は貧しく、生活に余裕がないからそもそも貯金にすら回せないため、投資なんてとんでもない。

知識のない多くの人は、このように現状見えているところからの推察にとどまってしまうと思います。
というか、これ以外は妄想のレベルに入ってしまい有効な仮説は立てられそうもありません。
もちろん数打ちゃ当たるでブレーンストーミングなどを続けていれば何かしら出る可能性はあるやもしれませんんが。

ここに歴史の知識を持ち込んでみましょう。

  • 大日本帝国時代、戦費の調達のために国をあげて郵便貯金を推奨(歴史的事実から推察)
    • 貯金されたお金を国が使って戦費を調達した。国のために貯金しようというムーブメントがあった。そのため、戦前戦後世代は郵便貯金に積極的。

どうでしょうか。
これは歴史を知らないと出てこない意見ですね。

バブル期という直近(といっても30年ですが)の枠から、更に昔の時代までの考察を得ることができるようになりました。

更に、文化・宗教(+歴史)の知識を持ち込んでみます。

  • 儒教とは年長者を尊び、金稼ぎを悪とし、徳を積むことを善とした宗教である。(宗教・文化から推察)
    • お金は働いて稼ぐものであり、働かずして得る金は悪。というかそもそも金稼ぎが悪。だから士農工商の序列で、商が一番下だった。
  • 日本は古来、仏教によって国を収めていたが、徳川家康の時代の国づくりの基盤として儒教を導入した。(歴史的事実から推察)

なんと江戸時代まで考察の範囲が広がりました!ここまで広がると、知識のない人の妄想でも良いものが出てくる可能性が高まりましたね。江戸時代の暮らしにも妄想の範囲が及びますから。

ここまでくるとどうやらバブル期だけの経験から日本人が投資を嫌っているわけではなさそうという考察に至りそうです。
つまり、国家主導で貯金を推奨した時代が確実にあり、その前の300年では金稼ぎが悪とされている時代があった。

どうでしょうか。バブル期の経験がとか貧しいからとか言う話ではなく、日本人はこれまでの歴史的に金稼ぎを忌避して貯金に励んでいる結果かもしれないという考察が妄想ではなく論理的にできました。

このように面で考えるメリットはまだあります。

面で捉えて未来予知

面で考える最大のメリットは、未来を比較的高い精度で予知できると言うことです。

なんせ考察の軸が直近の経験や周りの環境だけでなく、文化・宗教・歴史といった多くの軸から複合的に考えるからです。

長期的に培われた国民の考え方やマインドはすぐに変更できるものではありません。

それは日本のジェンダー問題を見ても明らかです。これがなぜ難しい問題かというと、長い間に培った文化や歴史という観点から作られたものなので、新しい考え方が出てきたからすぐに切り替えろ!とはできないんです。

つまり新商品や新サービスを検討するときの「固定観念に囚われずに柔軟な発想で〜〜〜」とは、自分たちの常識の外の世界(世相や歴史・文化というような異なる軸)の知識を組み合わせて新しいものを生み出したい。

という活動ということになりますから、やはり勉強が何よりも重要なのです。

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